2016年6月22日

PyCon night Tokyo/Osaka 2016.06 を開催しました

東京と大阪の2箇所にわたり、初の PyCon night イベント が開催されました。

PyCon night はカンファレンスというよりも、Paul Hildebrandt (@paulhildebrandt) 氏という著名なエンジニアが来日された機会を活かし、彼の講演を聞く勉強会のような感覚で開催しました。Tokyo イベントに参加された方には少しお話ししましたが、 PyCon というイベント名は任意に使えるそうです。参加された皆さんの中にはこのぐらいのイベントなら自分でも開催できるのでは?と思われた方もいるでしょう。日本の Python コミュニティを盛り上げるべく、皆さんの中から次の PyCon night イベントが開催されるのを期待しています。もし不安があれば、一般社団法人 PyCon JP の Python関連コミュニティへの支援 を活用して相談するのも良いでしょう。

それぞれの開催地ごとに開催してみた所感を紹介します。

東京イベント


参加人数は70人 (懇親会参加40人) でした。出席率は約90%で平日イベントとしては高い参加率であったように思います。

Paul の講演は「Inside the Hat: Python @ Walt Disney Animation Studios」というタイトルで、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオでの映画製作における業務内容、インフラ、ツール、部署・チームなどを技術的な背景から紹介しました。

講演開始時の様子

私はアニメーションや VFX 業界に携わったことがないため、どういったシステムや仕組みがウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオならではの特徴的なところであったのか分かりませんが、あれだけの作品を作るために多くの労力を割き、大規模なシステムを構築しているというのに圧倒されました。

会場の雰囲気 (テーブル)
会場の雰囲気 (後段)

私が断片的にしか話についていけなかったため、知人に教えてもらった話や見かけたツイートなどからいくつか紹介します。
  • 動画をレビューするシステムを自社開発しており、バックエンドが tornado + WebSocket、フロントエンドが iPad (Swift) で作っている。みんなでレビューしたり、画像に書き込んだり、コメントを入れたり、エフェクトを変更したりできる
  • ベイマックスのレンダリング処理に 50000 コア、ズートピアには 56000 コアを使っている
  • https://github.com/wdas でいくつかのツールはソースコードを公開している
  • http://www.disneyanimation.com/technology/publications で技術文書も公開している
  • 私の職場の同僚は "Technology is not competitive advantage, but story can be. Do not think of generalizing software at the first time."  と言っていたのが印象に残ったそうです
その次に Hiromu Saito さんに「VFX 業界における Python 活用事例」というタイトルで業界内での Python の用途や位置付けなどを紹介しました。最初の Paul の発表に付いていけていないところがあった人にとっては、その背景を日本語で分かりやすく説明してもらえたのもあり、最初の発表の補足としても、とても良い発表でした。ちなみに私が正にそうでした。

Hiromu Saito さんによる発表

Maya で Python がサポートされたのをきっかけにツールに依存しない拡張機能を開発したり、そういったスクリプトを共有できるという面から業界内での Python の位置付けはデファクトスタンダードと呼んでいいレベルにあると話されていました。

VFX 業界で使われるソフトウェアのバージョンは VFX Reference Platform で共有されており、Python 3 対応はまだまだ業界として進んでいないそうです。今後1-2年のうちに移行の話題なども出てくるのではないかという見通しのようです。

また日本では CG 業界にプログラマーが求められているとあまり認知されていませんが、実際には必要とされているというお話もありました。とはいえ、やはりデザインの知識をもったプログラマーが優遇されるという事情もあり、デザイナーがプログラミングを習得するといったキャリアをもつ方が多いそうです。

2人の講演が終わった後にビアバッシュに移りました。

Paul はお酒が飲めない (飲まない?) そうでソーダを飲んでいました。当初、彼と来日前にメールでやり取りしていたときは講演をするという予定はなく、日本の Python ユーザーとコミュニケーションを取りたいという話を聞いていました。期待通り、ビアバッシュで多くの参加者と色々な話をしていたようです。

懇親会で Paul を中心に歓談する様子

ビアバッシュでわいわい騒ぎながら打ち解けてきたところでライトニング・トークスを始めました。募集時は2名の発表者を予定していましたが、さらに飛び入りで発表者が現れ、会場を盛り上げていました。

中川さん
野中さん
清水川さん
たかのりさん
  • https://github.com/pyconjp/pyconjpbot
  • PyCon JP Slack で活躍しているボットを紹介されていました。現在もコマンドを鋭意開発中のようです。一部の機能については会場から「何の役に立つんだ?」と疑問を投げかけられていました
esuji さん
講演者も、参加者も、LT 発表者も、皆さんのおかげでとても楽しいイベントとなりました。ありがとうございました!



大阪イベント


参加人数は51人で、そのうち40人が学生、11人が一般の方でした。大阪では学生に聞いてほしいという想いがあり、学生が参加しやすいように平日の日中に開催されました。

以下、スタッフの川合さんから所感を頂きました。

Paul Hildebrandt 氏をお招きしての「PyCon night」、大阪では ODCC(大阪デジタルコンテンツビジネス創出協議会) に加盟する教育機関グループ共催で、 大阪情報コンピュータ専門学校 にて開催しました。

ポスターと撮影

参加者の多くはこれから映像やプログラミングの世界を志す学生の方々。その目指す業界の中でも最高峰と言える現場において、どのような流れで作品が作られ、 その過程でどのようなツールや技術が使われているのかを直接聞くことができたことは、大きな刺激となったようです。

会場の雰囲気
講演後の質疑応答では学生を中心に熱い質問が続き、終了時間を延長。さらに終了後も Paul を囲んで人の輪ができていました。

講演後の質疑応答の様子

自分たちが今学んでいることがどう活かされるのかを知ることができ、今後のモチベーション向上にも繋がったのではないでしょうか。その様子はアンケートのコメントにも現れていて、学生に向けてこういった機会を設けることの意義を改めて強く感じました。



最後に PyCon night Tokyo/Osaka のイベント開催に向けて相談にのって頂いたり、会場調整をして頂いたり、受付を手伝ってくれたりした、全てのスタッフの方々にも感謝を述べます。ご協力ありがとうございました!

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